意見をいうことは会議に貢献することだと分かっていても、結局、自分の意見をいえず反対意見が通ってしまった経験はありませんか?それとも、「自分の会社はブラックだから、自分の意見なんて誰も聞いていないよ」と思っているかも知れません。
今回は会議で自分の意見を話す機会がある人・ない人でも「伝える」場面は必ずあります。意見とは一人一人が頭の中でつくりだすもので、性格が千差万別であるように意見の千差万別です。「今日はうどんが食べたい」「カレーがいい」または「いいね!」というのも十分に意見になります。
この本は日常の小さな意見からビジネスシーンでも利用可能な「伝える」に焦点をあて解説しています。
私に必要な話し方はこの本だったのかもしれない
本を読んで、「こうゆうのが知りたかったんだよね!」と興奮しました。説明には順番があり、その順番を知ることができました。話が分かりやすい人は自然とできているのかもしれないけど、「人・モノ・コト・出来事」によって話す順番が違うのも知りました。
私は「勉強したはずなのに、いつもシドロモドロしてしまうなぁ。もっと勉強しなくっちゃ」と不安に思っていますが、実際は仕事や家のことをしながら勉強時間は限られています。
話す順番を踏まえて勉強をすれば、効率よく学べて、なおかつ相手に分かりやすく伝えられる、と気づきました。
本は4つの伝える場面に分けて解説していますが、結局はどんな場面の何を「説明」するのかに集約されると思います。忙しい方で本を読む暇も無い人は、レッスン1の伝え方のコツだけを読んだらいいと思いますよ。
この記事では、本の中から私が参考になった項目「意見について」「「説明の仕方」「議論について」をまとめました。
意見とは頭の中で作り出したもの
この本では、グローバルで活躍する人たちがもっている「伝える力」の勘所を、短時間で手にいれることを目的としています。議論のからくりや、意見を伝える際の心構えやコツを説明しています。
そもそも意見とは何でしょうか?本では「頭の中で作りだしたもの」と定義しています。なんかもっと建設的な定義を想像していましたが、「何でも意見になるじゃない?感想も意見のうちじゃない?」と拍子抜けです。ただ、それを伝い合う場面で、根拠やデータ、理屈が必要になります。
意見は、その人の立場や経験、知識、生活などによって変わります。双子でも育て方や住む環境が変われば性格や顔つきまで変わってくるように、多様な意見があるからこそ話し合いを通して理解し合う必要があります。
意見には説得力が重要である
多様な人がいて、好みの顔と好みじゃない顔があっても正しい顔・間違った顔がないように、意見も正しい意見・間違った意見もありません。
意見に必要なのは正否ではなく説得力です。話し合いは「けんか」ではありません。けんかと議論の違いは、双方向かどうかです。以下に、まとめます。
- けんかは自分の言い分を通したい
- けんかは感情からスタートしている
- けんかは相手の言い分が間違っていると思っている
議論が目指すところは、「お互いに質問やコメントをいい、時には反論することでもっと良いものを作り上げる」ことを目的としています。
そのためには、きちんとした根拠のある意見が必要です。あなたらしい、あなたしか持てない意見を伝えることで貢献をします。自分の意見をきちんと伝え、議論することができればプレゼンス(存在感)を発揮することができます。
説明には順序がある
意見とは頭の中で作り出したもので、伝える場面によって「意見・反論・コメント・質問」と分類するこtができます。意見や反論、コメントを伝えるにしろ、何かを説明することには変わり在りません。説明の仕方次第で「よくわからない・・・」と言われる可能性があります。
相手に「よくわかった、イメージできた」と言われるようにするには、説明の手順があります。相手が理解しやすい順番で説明します。欧米では、「説明」「描写」「読書感想」「説得」など、それぞれの目的にあった手順を小学生の頃から指導を受けているそうです。
本には「モノ・人・出来事・社会問題」の説明の順番が掲載されていました。
- モノ:定義→別名→使い方→歴史
- 人:定義→生い立ち→学歴→職歴・業績→強み
- 出来事:定義→起きたこと→背景→影響
- 社会問題:定義→原因→データなど証拠→歴史→補足
意見には伝え方のルールがある
説明の順番がわかったところで、次は伝え方のルールをお伝えします。自分の意見を伝えるためには「言わなくてもわかるだろう」「知っているにちがいない」という甘え考えを捨てて、ルールにのっとって説明すれば、どんな時候でも分かりやすい説明になりますよ。
- 最初に、シンプルかつ、十分な定義をもってくる
- 詳細説明は聞く相手に何を最終的に理解して欲しいのか、を考える
- 詳細の相手が知りたい・聞きたいことを優先順に並べる
- いつ、どこで、誰が、どのように行うのか大きな枠組みから話す
大前提として、説明する事柄に対して理解している必要があります。わかったつもりでいると穴があり、説明しても「よくわからない」と言われてしまうので注意しましょう。
自分の理解度をチェックする方法として、「5歳児に説明するつもりで話す」「カタカナ語を掘り下げて、自分の言葉に置き換える」方法でチェックしてみましょう。
議論は考えを発展させる場である
議論と言えば、賛成か反対しかないと思っていました。
お世話になっている方の意見に賛成できなくても、忖度してしまうので会議は苦手です。でも、議論は大きさや形が違うブロックを積み上げる作業と同じで、自分の意見を言いたい衝動をこらえ、役割を担って場に貢献することが議論であると知り安心しました。
他の人の発言をきちんと理解することにつとめます。まずは、相手の話をよく聞いて、メモをとります。発言に対する好き嫌いなどの感情は正しく理解することを妨げます。一旦感情は保留にして、相手の意見を最後まで聞きましょう。その上で分からない箇所があれば、質問しましょう。
Six Thinking Hatsで議論に貢献しよう
他の人の発言をきちんと理解したら、「貢献のために、自分が演じるべき役割」を見つけます。そこで役に立つのが「Six Thinking Hats」という6通りの考え方をとおして、物事を様々な角度から考える思考法です。
他の人の発言を6色で分類して、足りない色がそのボノ議論に足りない考えとなり、それをコメント質問します。慣れないうちは色つけ分類します。慣れてきたら、足りない色について意見を述べるようにしましょう。

白 | 赤 | 黒 |
事実 | 感情 | 悪い点 |
黄 | 緑 | 青 |
良い点 | 新しいアイディア | まとめ |
伝え方次第で人間関係もスムーズになる
意見の伝え方と議論での貢献の仕方を紹介しましたが、他にもグローバルなプレゼンの仕方や意見交換会に役立つコメントや質問について説明がされています。またそれ以外にも沢山の伝え方コツが解説されています。
どのコツも人間関係を悪化させない、安心して意見が言えるようになるコツが書かれています。
例えば、断定して説明をした方が自信や正確さが津輪割りますが、反感を持たれてしまうのとそれ以降受け入れられなくなるので、断定せずに「~だと思います」「あくまでも私見ですが」「私の浅い経験から申しますと~」とやんわりと伝えましょう、と解説しています。
反論は人格否定ではなく、相手からの質問と思い「ご指摘ありがとうございます」と受け止めましょう、とも書かれています。
意見を伝えることは、疲れます。少しでも疲れないようにするヒントが書かれているようでした。「世界のエリート」というと強そうな印象ですが、ふんわりと柔らかくても大丈夫です。議論は貢献です。ちまたの意見を言えるようになる本が苦手な方にはおすすめの本ですよ。
最後まで、お読み頂きありがとうございました。