『365日、暮らしのこよみ』にあわせて、今日の暦とは関係ありませんが家神様についてまとめます。とてもよい本で、心を豊かにさせてくれますのでオススメです。
もしあなたが「毎日を丁寧にすごしたい」「暮らしを豊かにしたいな」と思われるなら、暦を活用した生活はきっと心を豊かにし生活を彩ってくれると思いますよ。
家神様は家や家庭を守ってくれる神様
日本の神様は沢山いらっしゃいますが、神様は自然や神社だけに坐しているのではなく各家のあちらこちらで私たちの暮らしを見守ってくれます。そのため、家を守る神様を家神様とよんでいます。
例えば、歌にもなったトイレの神様や火を使うところには竈の神様、または荒神様。水を使うところには水の神様。納戸の神様。屋敷神。福の神である大国様と恵比寿様も台所に祀られ、また座敷童子やオシラサマも家の神様と考えられています。
家の神様を「具体的に誰?」と特定するのは難しく、そのまま火の神様、竈の神様、納戸神、屋敷神とよんでいます。西日本では竈の神様を三宝荒神と呼んでいますよ。
もし神棚で神様を祀っていれば、例えば天照大御神や氏神様を祀っていれば家神様に含まれるでしょう。
家神様を特に意識するのは家の解体清め祓い
私はお家のお祓いを受けることがあります。特に家神様を意識するのが解体清め祓いです。「清め祓い」と私は呼んでいますがその名称は各神社・神職さんによって違います。
呼び方は違っても共通しているのは長い間、家や家族を守ってくださった感謝を神様に申し上げ元の世界にお帰り頂くことを祈念します。
先ほど家神様を個別に神様のお名前を特定するのは難しいと言いましたが、神事の場合は御神名を唱えて神籬に降臨します。たとえば、お家なら屋船久久能知神を、トイレなら埴山姫神をお招きします。
施主様が気にしている事や祓い清めてほしい箇所によって神様が変わります。
近所の団地は高齢化が進んでおり、また都心部より離れているせいか、どんどん解体されて新しい家が建っています。見ていると解体清め祓いも地鎮祭もせずに家が建ちます。
建て主である工務店にとっては神事は「ただの出費でムダ」と考えているのかも知れませんが、その土地を手放した人、その家に暮らす人のことを本当に思うのなら神事はしたほうがよいと思います。
後になって多感な子どもや孫から「なんか誰かいる?」と言われて怖くならないように、きちんと神様に感謝を申し上げ、お役目が終わったことを伝えましょう。
三宝荒神とは?
荒神様で有名な三宝荒神、ちょっと聞き慣れない名前です。「神様」呼んでいますが、実は仏教系の神様です。
もそも三宝とは「仏法僧」のことを指しており、仏教を構成する三要素を表しており「三つの宝を大切にしましょう、御仏の教えを大切にしましょう」という意味になります。
ですので三宝荒神は仏・法・僧の三宝を守る仏法の守護神で、三面六臂(さんめんろっぴ)のちょっと怖い顔つきの顔が三つあり手を六本お持ちの神様です。
荒神様の由来は諸説あって、神話には高天原の神に従わない・属さない神様を「荒ぶる神」と呼んでいます。国津神ではないので、荒神と呼ばれるようになりました。
西日本では竈の神様を荒神様と呼ぶことが多いようで、神式に言えば竈神、仏式で言えば荒神ということになるでしょうか。
神様はきれい好き
植村花菜作詞・作曲の「トイレの神様」には掃除嫌いだった女の子に向かって語るおばあさんのフレーズがあります。
トイレにはそれはそれはキレイな女神様がいるんやで
だから毎日キレイにしたら
女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで
昔からおトイレの神様は安産の神様で、妊婦がトイレ掃除をすると綺麗な子どもが生まれると信じられてきました。
ほかにも、おトイレはあの世とこの世を繋ぐ入れ口と考えられてきました。新谷尚紀著の『日本人の縁起かつぎと厄払い』には諏訪地方や筑波山の麓、神等去出祭などのおトイレにまつわる行事や祭が書かれています。
東北方向である「うしとら」は鬼門の神様は「貴門」ともいい、不潔を嫌います。風水学でも鬼門におトイレを設けることは嫌います。
お家をキレイにしておくことは福を呼び込む第一歩といえますね
まとめ
今回は家神様についてまとめました。神棚があろうとなかろうとお家には神様がたくさんいらっしゃいます。特定の名前がないだけで、もしくは私たちが知らないだけで沢山の神様に守られています。
そのため、きちんと祀る家族は栄え、おろそかにする家族は一家離散や衰退すると信じられています。お母さんや女性に掃除をまかせるのではなく、男性も子どももお掃除をして出世や成功を目指しましょう。
現代社会では少なくなったと思いますが、女性がトイレ掃除する習慣が会社でも残っています。これは安産の神様だから綺麗な子どもが生まれるからといって女性に押しつけた結果なのではないでしょうか?
むしろ私は女性側が押しつけられている現状を、なんとか心穏やかにするために神様を借りて「安産やキレイで強い子どもが産める」と信じるしかなかったんではないかと悲しくなります。
暦を通して深いまなざしを身につけて行きたいですね。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。