PR

3月6日は虫が活動をはじめる啓蟄(けいちつ)のころ

啓蟄アイキャッチ画像 暦日和

今日は3月6日。二十四節気の啓蟄です。見慣れない漢字ですね、「けいちつ」と読みます。今日は「啓蟄」についてまとめていこうと思います。

「毎日を丁寧にすごしたい」「暮らしを豊かにしたいな」など丁寧な暮らしに憧れるあなた、暦を活用した生活はきっと心を豊かにしてくれると思いますよ。

1日1ページで書かれた「365日、暮らしのこよみ」可愛いイラストで心を豊かにします。

春の陽気に誘われて虫たちが活動を始めるころ

啓蟄について『現代こよみ読み解き辞典』によると

旧暦二月、卯の月の正節で、新暦三月六日頃である。天文学的には、太陽が黄経三四五度の天を通過する時をいう。

岡田芳朗・阿久根末忠編著『現代こよみ読み解き辞典』・啓蟄の項より

この頃になると冬の間、静かだった虫たちの羽音を聞くようになります。菜の花や梅など花の近くには蜂やモンシロチョウが舞うようになります。

生命の活動をいよいよ感じる季節となったことをあらわします。

啓蟄は土の中で冬ごもりしていた虫たちが地面に穴を開けて、地上に這い出してくることから「啓蟄」と言われるようになりました。

漢字から見る啓蟄の由来

暦は中国由来なので、漢字から意味を考えることができます。「啓蟄」を啓と蟄にわけて考えてみましょう。

啓はひらく、明ける

「啓」はひらく、明ける、解放するなどの意味があります。形声文字で戸を手で開いたり、口を開いてものを言う意味を表します。

啓蒙や啓発、啓示などお堅いイメージの言葉ですが、どれも盲目的な人の目を開いて新しい世界に導く意味の時に使われますね。特に「啓示」は宗教的で神のお導きのときに使われます。

蟄は隠れる、引きこもる

「蟄」は隠れる、閉じこもるの意味です。「蟄」は執+虫の形声文字で、「執」はとらえるの意味があり、虫が土の中にとらえられる、閉じこもるの意味となった。

ちなみに江戸時代に一室に閉じ込めて謹慎させる「蟄居」という刑がありました。もちろん自分からする蟄居もあります。「引きこもり」も一種の蟄居かもしれませんが、今では蟄居はポジティブな意味で引きこもると使われているようです。

「虫」は今では昆虫を指すのが一般的ですが、昆虫を意味する「蟲」と「虫」は意味が少し違っています。虫はヘビの象形文字です。「虫」は動物の総称で、羽虫は鳥、毛虫は獣、甲虫は亀の類い、麟虫はうろこがある動物、裸虫は人類といいます。

雨上がりの空にかかる「虹」にも虫がつきますよね。空をつらぬくヘビ(龍)と考えられていました。

春雷、虫だしの雷

雷の種類は「熱雷」と「界雷」があります。寒冷前線の異なる性質の空気が原因でおこる界雷で、春になる雷を「春雷」と呼んでいます。

特に啓蟄の頃に鳴る雷を「虫だしの雷」といいます。昔の人は春雷に誘われて虫たちが土の中から這い出てきたと感じたようです。

まとめ

啓蟄は二十四節気の3番目の節で、冬ごもりしていた虫たちが土から這い出るころを意味します。

春雷がなり寒かった冬もとうとう終わり、春がはじまったことを表します。

虫だけでなく私たちも狭い部屋から広い世界へ飛び出る時期です。「執」がとじこめる、とらえるという意味がありますが、私たちがとらわれているものは何でしょうか?

冬はネガティブなイメージがありますが、秋に蓄えた食料を美味しく頂く季節。春に花を咲かせるためには冬に種をまかなくてはなりません。

発芽には種の養分でまかなえますが、成長にそは外から与えられる養分が必要です。さぁ、扉に手をかけ門を開きましょう!

暦を知ると季節の移り変わりをよくよく感じるようになりますよ。