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6月27日 茅の輪神事:輪をくぐれば厄災から逃れられる夏の神事

茅の輪神事アイキャッチ画像 暦日和

今日は神社の境内に設置される茅の輪についてまとめようと思います。

もしあなたが「毎日をもっと輝かせたい」「毎日を丁寧にくらしたい」と願うのなら『365日、暮らしのこよみ』を読むと理想の暮らしに近づくヒントがありますよ。

茅の輪はチガヤで作られて大きな輪のこと

茅の輪

今日では茅の輪(ちのわ)は神社の境内や参道、または鳥居などに設置されるチガヤを束ねて作った大きな輪のことをいいます。この茅の輪を8の時を描くようにくぐり、身についた穢れを祓い清められると考えられており、この一連の動作を「茅の輪神事」または「茅の輪くぐり」と呼んでいます。

5月末から7月上旬にかけて境内に設置されることが多く、「夏越しの大祓」で神職とともにくぐることが多いです。「大祓」は年に2回ありますが、夏の時期によく目にします。

茅の輪のチガヤは総称で使われることが多い

茅の穂

茅(チガヤ)はこの時期になると空き地で白い柔らかな穂を目にします。膝丈くらいの葉がシュッとした剣先のようなカタチをしているため「矛」の字が当てられました。

氏子さんがいるような地域の神社では、チガヤを刈り取って大きな輪にします。6月頃の茅はそれほど長く成長していないため、純種の茅ではなくそれに似た草を利用しているそうです。

最近では模造品の茅の輪があるので、生のチガヤを手に入れられない神社さんでは助かっている様子です。

茅の輪神事の由来

茅の輪と紙垂

茅の輪の由来は、須佐之男命の神話に由来しています。

「ある村に二人の兄弟がいました。兄は蘇民将来といい貧しい暮らしをしており、一方の弟である巨旦将来は裕福な暮らしをしていました。ある日、旅人が宿を借りようと、二人の兄弟の家を訪ねました。

豊かな暮らしをしている巨旦将来の家に先に訪ねた旅人は、みすぼらしい身なりの故あっさりと断られてしまいます。困った旅人は旅人をもてなす余裕がないほどの貧しい暮らしをしている蘇民将来の家を訪ねます。

当然断られるものと思った旅人ですが、快く迎えられ質素ではあるものの暖かなもてなしを受けました。

それから数年後、一人の旅人が蘇民将来の家を訪ねてきて「自分は須佐之男命である」と話します。「これから疫病や災害が起こるであろう。いつぞやのお礼におまえの一族を助けてやろう。目印に茅で作った輪を腰に下げておきなさい。」と言われました。

その教えを守った蘇民将来の一族は災害や疫病から助かりました。」

人々は蘇民将来にあやかって「蘇民将来子孫の家」と書かれた御札を玄関に貼ったり、茅の輪を腰に下げるようになりました。

身近なチガヤ

ちまき

茅は雑草で一度生えるとなかなか消えないやっかいな草です。しかし、私たちの暮らしに茅はなくてならないものでした。

昔の家の屋根は茅吹き屋根と言われ、茅の茎葉を利用していました。また、白い綿毛は火打ち石で火をつけるときの火口に使われていました。

根には利尿作用があり、風邪やむくみが気になるときに飲んでいました。民間療法に百日せきには初夏の白い穂とユキノシタの葉、氷砂糖の三昧を合わせて煎じて飲んだといわれています。「ちまき」のチはチガヤ巻きが由縁だそうです。

須佐之男命が「茅」を選んだ理由は「生命力」なんじゃないなかなと思います。試しに「チガヤ」で検索すると駆除方法や除草剤のページが目に入ります。私の敷地に生える草でなかな引っこ抜けないのがチガヤで、取っても取っても生えてきます。そんな生命力にあやかって、茅の輪に選んだのでしょうね。