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1月25日は初天神、鷽替神事

1月25日初天神鷽替神事アイキャッチ画像 暦日和

「暮らしを豊かにしたいな」と思ったら暦をみてみましょう。楽しくなるヒントがいっぱいですよ。

暦の今日を見てみると、大安仏滅友引、一粒万倍日、天赦日などが書かれており、今日はどんな日かわかります。それに合わせて今日を「どう過ごそうか?」と考えるとわくわくしませんか?

今日は1月25日、初天神・鷽替神事について説明します。今日はどんな日でしょうか。

この「365日、暮らしのこよみ」を読むと「今日は何をしようかな?」と楽しくなりますよ。

1月25日は初天神

鷽人形と亀戸天神社
私は4号サイズを頂きました。少しずつ大きくしていこうと思います

天神様は「学問の神様」で有名な菅原道真にゆかりがあります。太宰府天満宮や北野天満宮、東京ならば湯島天満宮、亀戸天神社が有名です。

菅原道真が天神様と呼ばれるようになったのは、道真が亡くなってから都で災いが起こるようになりました。この災いは道真の祟りだと恐れられるようになりました。

道真は「火雷天神」や「天満大自在天神」と呼ばれるようになり、太宰府天満宮や北野天満宮に奉られるようになりました。

道真の亡くなった日・誕生し日が25日と言われ、25日が天神様の御縁日となりました。年の初めの正月25日を初天神と呼んでいます。

東京では1月25日は鷽替神事が有名

御神殿の前には巨大な鷽人形が・・・。午後からはすいていますのでスムーズにお詣りができました

天満宮で有名な神事のひとつに「鷽替神事・うそかえしんじ」があります。

凶事を吉事に取り(トリ)変える、やむなくついてしまった嘘(ウソ)を誠に取り変えると信じられています。亀戸天神社では文政三年(1820)から太宰府天満宮にならって、毎年1月24日と25日に鷽替神事が行われています。関東圏は1月25日に行われている天満宮が多いようです。

江戸時代の頃には、鷽人形を手にした人々が「替えましょう、替えましょう」とかけ声とともにお互いの鷽を取り変えていましたが、現在は前年の鷽を神社に納め新しい鷽と取り変えるようになりました。

太宰府天満宮では1月7日を鷽替神事としており、現在も参拝者同士が鷽を取り変えています。しかし、京都の北野天満宮では鷽替神事は行われておりません。

私の感想ですが、「神事」というけれども何か神職が行事をするのではなく「交換自体」を「神事」と捉えた方がよいように思いました。もちろん頒布前にはご神前で祭典が行われますが見ることはできませんでした。

たくさんの鷽人形が帰ってきてます。かわいい

その代わりに境内の鷽の石像の前に祭壇を設け、そこに前年の鷽を納めるようになっています。

*木彫りの鷽人形を「木うそ」とよんでいますが、可愛いので鷽人形とここでは書かせていただきます。

鷽人形の由来

町中にも鷽がいますよ。我が家にもほしい

どうして鳥の鷽なのでしょうか?

太宰府天満宮の伝承によると、菅原道真が蜂に襲われたとき沢山の鷽が飛んできて鷽に助けられたと伝わっています。

また、「鷽」という字が「學」に似ていることから学問の神様である天神様にあやかったと考えられています。

鷽人形と一緒に戴いた説明書には「四方の里人木の枝其の他のものをもてうそとりのカタチをつくりもちきたり」とあり「此おん神の託(つげ)によりて始まれり」と書かれています。

もともとは神社から受けるものではなくて、人々の道真への思いからだったのかもしれませんね。

上手に撮れていませんが、鷽人形の可愛さが伝わればいいんですが。

私の感想:戦略的に始まったのでは?

都内の鷽替神事はどこが最初か調べても見つからなかったので、勝手に想像します。

都内で有名な天満宮と言えば、湯島天神でおなじみの湯島天満宮です。

湯島天満宮の創建は458年で天之手力雄命を祀っていましたが、1355年に菅原道真を併せて祀るようになりました。

亀戸天神社は、1646年に太宰府天満宮の神官だった大鳥居信祐が神託により、天神信仰を広めるため道真縁の梅の木の枝で神像を彫りもともとあった亀戸の天神社に祀ったのが始まりです。二社の年数だけをみれば、湯島天満宮の方が古いですね。

湯島といえばもう一つ有名な場所があります。それは「湯島聖堂」です。湯島聖堂は上野にあった林羅山で祀られていた孔子廟を1690年に湯島に移し聖堂を建てたことが始まりです。そのご昌平坂学問所が開設され多くの学人武士が学びました。

一方の亀戸天神社は庶民の町です。近くには亀戸香取神社や亀戸水神があります。亀戸と湯島の町を比べると、湯島の方が勉学に適していると思います。思うに、学問を志す人に信仰が篤かったのは湯島天満宮ではないでしょうか。

もともと信仰を広めるために始まった亀戸天神社です。その志を受け継ぎて、当時の宮司がもっと信仰を広めるために鷽替神事を始めたのではないでしょうか。

24,25日。正月が過ぎ左義長(この辺りでは道祖神祭り)が終わり、ちょっと落ち着いたころでありまだまだ新年のめでたい気持ちが残る初天神の日でちょうどよかったのではないでしょうか。

太宰府天満宮の鷽替神事も里人が鷽人形を持ち寄ったことが由来とされています。お祭りが好きなのは武士よりも庶民だと思うのですよ(私の感想)。となると、庶民に慕われていた亀戸天神社が先に始まり庶民に受け入れられてブームとなり、近隣の天満宮にも広まったと考えられます。でなければ、都内のほとんどが25日というのは不思議です。

以上から、私は都内の鷽替神事は「もっと信仰を広めたい」「もっと亀戸天神社の知名度をあげたい」という思いから亀戸天神社から始まったと考えました。

亀戸天神社は藤棚で有名です。鷽替神事の1月以外にも5月頃に参拝するのもオススメですよ。参拝したらくず餅で有名な船橋屋本店で甘味を堪能してはいかがでしょうか?

船橋屋本店でぜんざいセットをいただきました。寒かったので暖まりました