WordPressを別のテーマにしたいのだけど、今のブログをいじりたくないよ。もし、いじっちゃって元に戻せなかったらどうしよう?
有名ブロガーさんのおすすめWordPressテーマの記事を読んだとき、新しいテーマや気に入ったテーマを見つけたとき、「私もWordPressのテーマを変えようかな」って、ついつい思います。
でも、「もし~したらどうしよう?」って不安なりますよね。
- もし「ちょっと試しに」と軽い気持ちでテーマを変更したら元に戻せるのかな?
- もし使い勝手の悪いテーマだったらどうしよう?
- もし、入れているプラグインと相性が悪かったらどうしよう?
そんな時に便利なのが今回紹介する「Snapup」です。
今のブログやホームページを表示させたままで元データをいじることなくリニューアル作業が同時にできます。
Snapupは無料で使える使いたいときだけ借りられるホームページ専用のテストサーバーです。
もし、気に入ったテーマや有名ブロガーさんがすすめるテーマが自分には合わなくても、元のデータを触らないので誰にもリニューアル作業を見られることがありません。
テーマがコロコロ変わっても、元データは触らないので、データが変わることはないので安心です
使い方はとても簡単ですよ。
レンタルサーバー各社と提携していて、例えばさくらインターネットのレンタルサーバーでは『バックアップ&ステージング』という名前でサービスを提供しています。また直接Snapupで借りることもできます。
使い方は簡単です。私もさくらインターネットを利用しているので、さくらインターネットでの使い方を中心に解説していきますね。
この記事と一緒にさくらインターネットのさくらナレッジ(https://knowledge.sakura.ad.jp/17393/)の記事を併せて読んでいただければ、より一層の深く理解することができると思います。
Snapupとはホームページ専用のテストサーバーサービス
SnapupはホームページのデータをSnapUpのサーバーにそっくりそのままコピーすることができます。そのコピーがバックアップで、コピーを別のサーバにダウンロードすればホームページの引っ越しができます。
また、Snapupにコピーしたデータで変更や修正を行えばホームページを表示させたままリニューアル作業ができます。
プラグイン開発やアプリ開発を行っている人や気になるプラグインとの相性を確かめるのにも別のサーバで同じ環境でテストすることができます。
いわば、試したいときだけ借りられるレンタルサーバーです。
ホームページのリニューアルで力を発揮する
Snapupを使う場面はいろいろあります。
- リニューアル作業のとき
- 他社レンタルサーバーから引っ越ししたいとき
- プラグイン同士の相性チェック
- アップデートの不具合チェック
- もしも、のときのバックアップ
私の場合はホームページのリニューアル作業でSnapupを利用しました。
今のホームページ(URLのまま)でリニューアル作業を行えば人に見られてしまうし、もしかしたら大切な情報を公開してしまう恐れがあります。
また、作業中のためお問い合わせの機会を失う可能性もあります。
Snapupを使えば別のサーバでリニューアル作業ができるので、ホームページとリニューアル作業中のURLが別々になります。
しかも、本データを触るのではないから、ホームページがおかしくなる心配はありません。
Snapupで抑えておきたい言葉
Snapupを使うに当たって、大切な2つの概念があります。それは、「スナップショット」と「ステージングサーバー」です。
スナップショットとは、バックアップを取った時点のホームページを構成する全てのファイルをバックアップすることです。
ホームページを構成するファイルはHTMLやCSS、JavaScriptをはじめWordPressのファイルやデーターベースまで全てコピーし、保存します。
ステージングサーバーとは、本番と同じ環境を作ることができるサーバーをいいます。テスト用のサーバーです。
この2つをこれ以上詳しく知る必要はありません。スナップショットとはバックアップなんだな、ステージングサーバーは別のサーバなんだな、というイメージくらいで大丈夫です。
Snapupの使い方
ここからは、Snapupの使い方です。
Snapupは各レンタルサーバーと提携している場合がありますので、ご自身のレンタルサーバーを確認してみてくださいね。
さくらインターネットのレンタルサーバーでは、スタンダードプランからWordPressに特化してSnapupを利用することができます(バックアップ&ステージングhttps://rs.sakura.ad.jp/function/backup_staging.html)。
ロリポップ!の場合は優待価格で別途契約が必要です。もし、引っ越し目的でロリポップ!で「Snapupを使いたいなぁ」と思っていた方には、WordPressかんたん引っ越しがありますよ。こちら
ここからは、さくらインターネットのレンタルサーバーの画像を使って説明したいと思います。
さくらのレンタルサーバーの「バックアップ&ステージング」の注意点
さくらのレンタルサーバーではSnapupが利用できるので、別途バックアッププラグインをインストールする必要がありません。
さくらインターネットのバックアップの手順のマニュアルはこちらです。
Snapupを利用する前に注意事項があります。
ステージング環境は作成から90日で自動的に削除されます。期限があるので、約3ヶ月以内でリニューアル作業を終えないといけません。
ステージングサーバーはさくらのレンタルサーバーと環境が違うため、PHPプログラムなど動作が違う場合があります。
また、さくらインターネットのWEBフォントのプラグインが反映されません。なので、本番サーバーへリリースし終わってからの確認になります。フォントはイメージを左右するので、ちょっと残念ですね。
Snapupでバックアップする方法
まずは、さくらインターネットのレンタルサーバーのコントロールパネルにログインします。
次に、Webサイト/データからバックアップを選びます。
バックアップ&ステージングの利用の「利用開始」をクリックします。
少し待つと画面が変わるので、「バックアップ」をクリックします。
*ちょっとやり方がうろ覚えですが、ステージングサーバーを用意する場合はいきなり「Snapup」をクリックしても大丈夫だと思います。
バックアップ中のメッセージが出ますので、しばらく放置します。
バックアップを取得しています。これで、Snapupを使い始める準備ができました。
リニューアル作業をしたい人、新たなプラグインやシステムのテストを試したい人は、次にステージングサーバーを作成します。
ステージングサーバーを作成する方法
「Snapup」のボタンをクリックします。
次の画面が出てきたら、「ステージングサーバーを作成する」をクリックします。
ステージングサーバー名を任意で決めます。
MySQLやPHPのバージョンは現在使用しているバージョンに設定します。
MySQLはコントロールパネルのデータベースの項目に、PHPのバージョンは言語のバージョン設定から確認することができます。
終わったら、「追加」をクリックします。
スナップショットをステージングサーバーにセットする
今はまだ、ステージングサーバーにはデータがない空状態です。次はステージングサーバーにバックアップ(スナップショット)したデータをセットします。
まずは、「サイトを追加する」ボタンをクリックして、スナップショットを撮るホームページの名前を入力します。
先ほどバックアップしたデータがあると思います。もし、なければ「スナップショットを追加・作成する」をクリックします。
スナップショットの名前は自分が分かればいいので、適当で良いと思いますよ。
スナップショットを取得中は右下に小さな進行画面が表示されます。
無事にスナップショットが撮れました。
スナップショットでエラーが出る場合、次のことを確認してください。
- 容量が大きすぎる:30GBまで
- ファイル数が多すぎる:50万ファイルまで
- パーミッションの権限がない:755または705などにする
- WordPressアドレスとサイトアドレスが異なる
WordPressアドレスとサイトアドレスが違う人は先に直しておいてくださいね。
WordPressアドレスとサイトアドレスを同じにする際に起きるちょっと面倒くさいことの対応についてまとめています。もしよかったら、参考ください。
おまけ:2回目以降のやり方
2回目以降の利用の仕方、というか私の失敗談です。
スナップショットを作成するボタンを押して、本サーバをバックアップしてステージングしました。
ところが、なんどやってもスナップショットが表示されない失敗をしました。
ステージングサーバーのファイルマネージャーを確認すると、ちゃんとファイルはあります。
これはアクセス出来ないのが原因なのかな?と思い、パーミッションの見直しやバックアップ&ステージングを何度も繰り返して、時間も空けてやっても解決しません。
なんどかやっていて、WordPressのURLやバージョンについてメッセージが表示されないことにきづきました。
原因は、「スナップショットを作成する」ボタンではなく、「サイトを追加する」を押さななりませんでした。
すでに、「作ってあるから、スナップショットを作成でいいよね?」と進んだのが間違いだったようです。
期間をおいて、リニューアル作業をするような人は「サイトを作成する」ボタンを押してくださいね。
ステージングサーバーでリニューアル作業をする方法
WordPressログインするため認証情報を確認する
Snapupの管理画面で右側のステージングサーバーの欄に「認証情報を確認する」をクリックします。ここに認証情報が書かれているので確認しメモをとります。
WordPressのダッシュボードへログインする
ステージングサーバーのサイトを開きます。アドレスバーのURLの後ろに「wp-admin」等を入力します。ステージングサーバーの認証がありますので、アカウントとパスワードを入力します。WordPressのダッシュボードにログインします。
もし、プラグインのJetpackを利用している場合、ロックがかかるかもしれません。ロックがかかった場合の解除方法は「Jetpackのログインロックを解除する方法」で説明していますので、参考ください。
無事にログイン出来たら、「セーフモード」を選ぶか、無効化しておきます。
また、SiteGuardなどのプラグインでログインアドレスを変更している場合も、設定OFFにしてもいいと思いますよ。
無事にログインできたら、通常通り記事を書いたり新しいプラグインを試したりしてリニューアル作業を開始します。
リニューアル作業の終了後、本番サーバーに移行する
リニューアル作業が終わって、いよいよ公開することになりました。
さくらインターネットのマニュアル(https://help.sakura.ad.jp/115000200501/)通りに行えば、何の問題なく公開できますよ。
- ステージングサーバーのスナップショットを作成する
- 作成したスナップショットをクリックする
- 本番サーバーへリリースをクリックする
- 「サイトURLをリリース先に合わせる(既定)」を選び「OK」をクリックする
- 数分で設定が終わる
リニューアル作業を行ったら、通常と同じように「スナップショットを追加、作成をする」をクリックします。「ステージングサーバーから取得」をクリックします。
青枠がステージングサーバーで赤枠が本番サーバーです。先ほど取得したスナップショットを選びます。
クリックすると画面が展開されます。「本番サーバーへリリース」を選択します。
スナップショットのURLを書き換えるかどうするかを聞かれますので、既定の「サイトURLをリリース先にあわせる」をクリックします。
あとは、完了するまで待ちます。お疲れ様でした!
「サイトURLの書き換えを行わない」にすればサイトの引っ越しにも使えます。
私が失敗したダメな例
ダメな例です。私がなんどもやってしまった例です。
リニューアル作業をはじめた時に撮ったスナップショットを本番サーバーへリリースしていました。
「本番サーバーへリリースする」をクリックすれば、何もせずに移行できるはずです。なのに、なんで?と思って、しつこく同じ事を繰り返しました。何度やっても旧サイトが表示されます。せっかち過ぎたかなと思って30分ほど間をあけてみても旧サイトのままでした。
恥ずかしい・・・
おかしいと気づくまで時間がかかりました
「なんかおかしい」と思いさくらインターネットのマニュアルを確認しました。
原因は赤枠のPRODUCTION SERVERと成っている方のスナップショットでを本番サーバーへリリースをしていました。赤枠ではただのバックアップの復旧です。リニューアルできてなくて当然です。
みなさんはちゃんとリニューアル完成のステージングサーバーのスナップショットを本番サーバーへリリースしてくださいね。
今のブログを表示させたまま同時にリニューアル作業ができるなんて便利だね。しかも、無料だし、公開も簡単だからイイネ。